第一シリーズ「linuxコマンド入門」では基本的な「コマンド」を学びましたが、第二シリーズ「続・linuxコマンド入門」では「記号(演算子)」を学びました。これらはコマンドを「自動化」するために不可欠な接着剤の役割を果たします。
(このシリーズの概要(シラバス)がわかったほうが理解しやすいと思ったので先行して公開しています)

逆引きリファレンス
1. コマンドの「結果(出力)」をファイルに保存したい
- コマンドの実行結果をファイルに上書き保存したい
>(リダイレクト) - 【 | 】コマンドを繋げる「パイプ」~ | の使い方~【続・Linuxコマンド入門 #2】
- コマンドの実行結果をファイルに追記したい
>>(リダイレクト・追記) - 【 | 】コマンドを繋げる「パイプ」~ | の使い方~【続・Linuxコマンド入門 #2】
- エラーメッセージだけをファイルに保存したい
2>(標準エラー出力リダイレクト) - 【 | 】コマンドを繋げる「パイプ」~ | の使い方~【続・Linuxコマンド入門 #2】
2. コマンドに「データ(入力)」を渡したい
コマンドにキーボードから入力する代わりに、ファイルやテキストを「入力」として渡す。
- ファイルの中身をコマンドの入力として渡したい
<(入力リダイレクト) - 【 | / >】実践!パイプとリダイレクトでデータを加工する【続・Linuxコマンド入門 #3】
- 複数行のテキストを直接コマンドの入力として渡したい
<<(ヒアドキュメント) - 【 | / >】実践!パイプとリダイレクトでデータを加工する【続・Linuxコマンド入門 #3】
3. コマンドを「繋げて」処理したい
- Aが成功したら、Bを実行したい(レシピ)
&&(AND)
- Aが失敗したら、Bを実行したい(代替案)
||(OR)
- Aの成否に関わらず、Bを順番に実行したい
;(セミコロン)
処理を自動化する「コマンド結合」~ && と || と ; の違い~【続・Linuxコマンド入門 #4】
今シリーズの記事おさらい
第1回から第4回まで、このシリーズを通して、Linuxコマンドの「流れ」を操る技術を一通りマスターできたはずです。
- コマンドの結果を、画面表示ではなくファイルに保存できるようになった
ls -l | grep ".txt"のように、コマンドを繋げて結果を絞り込めるようになったcat file | grep "ERROR" | wc -l > error_count.txtのように、複数のコマンドでデータを加工・集計・保存できるようになったmkdir dir && cd dirのように、コマンドの成功・失敗に応じて次の処理を変えられるようになった
第一シリーズで学んだ「点」のコマンドを、「線」で結ぶ技術が身につきました。 これで、単なるコマンドの「入門者」から、自動化を理解する「初学者」へとステップアップできたと思います。
以下が今回のシリーズ記事一覧です。
各回の内容とリンク
- 第1回: 「リダイレクト」
>>>2>コマンドの結果(出力)をファイルに保存する。
【>/>>】「結果をファイルに保存」- リダイレクトを理解する-【続・Linuxコマンド入門 #1】
Linuxコマンドの結果をファイルに保存したい?「リダイレクト」を学べば解決!> (上書き) と >> (追記) の違い、エラー出力 2> の使い方を初心者向けに解説。(118文字)
第2回: 「パイプ」 | Aコマンドの結果を、Bコマンドの入力に直接渡す。
【 | 】コマンドを繋げる「パイプ」~ | の使い方~【続・Linuxコマンド入門 #2】
コマンドを繋げる「パイプ (|)」入門!あるコマンドの結果を、ls | grep のように次のコマンドへ直接渡す仕組みを、初心者向けにわかりやすく解説します。
第3回: 「実践編」 < << | と > を組み合わせたデータ加工。入力リダイレクトも学ぶ。
【 | / >】実践!パイプとリダイレクトでデータを加工する【続・Linuxコマンド入門 #3】
パイプ|とリダイレクト>の実践編!cat | grep | wc > file のようにコマンドを繋げてデータを加工・集計・保存する方法を解説。入力リダイレクト<とヒアドキュメント<<も学びます。
第4回: 「コマンド結合」 && || ; コマンドの成功・失敗に応じて、実行順序を制御する。
処理を自動化する「コマンド結合」~ && と || と ; の違い~【続・Linuxコマンド入門 #4】
Linuxコマンド && と || と ; の違い知ってる?「成功したら次」「失敗したら次」「必ず次」の実行順序を制御し、処理を自動化する方法を初心者向けに解説します。
第5回: 「総まとめ」 (当記事) 第二シリーズの総復習と、目的別リファレンス。
【Linuxコマンド入門 第2部・完】パイプとリダイレクト総まとめ 逆引きリファレンス 【続・Linuxコマンド入門 #5】
続・Linuxコマンド入門シリーズ全4回の総まとめ記事です。シェル演算子の使い方を体系的に知りたい場合やシェル演算子の復習、機能別の逆引きに利用してください。
まとめ:スタートラインに立つ。
第一シリーズ(コマンド単体)と第二シリーズ(コマンドの連結)を通して、ターミナル操作の「基礎の基礎」は完璧です。
大切なのは、これらの記号を「知っている」ことよりも、grep や sort、find など、第一シリーズで学んだコマンド群と組み合わせて「使える」ことです。
次の第三シリーズ「Linuxコマンド初心者編 =システム管理&基本ネットワーク=」(仮)では、システムの状態確認や基本的なネットワーク関係の接続チェックの仕方について紹介していきます。
(第3シリーズは準備中)
その先の第4シリーズとしては、alias や .bashrc などの「環境設定」、CUIを自分好みにカスタマイズする方法について紹介予定です。
(第4シリーズは準備中)
皆さんのLinuxライフがより豊かになることを願っています! 第二シリーズも、長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
過去シリーズ一覧
18 記事
Linuxコマンド入門
LINUXコマンドの基礎について、ゼロから最低限ファイル操作などができるようになるまでの手順を紹介します。linux系な...
5 記事
続・Linuxコマンド入門 ~パイプとリダイレクトを使いこなす~
Linuxコマンドの出力に対して処理してデータを加工したり、処理を自動化する「コマンド結合」の方法について紹介します。