高さ160cm台の大きめのイーゼルを制作しました。
イーゼルが欲しいけど、買うのもなぁ…そうだ、作ろう!!
ということで、イーゼル作ります。制作にあたり、釘やねじ止めで止める方法も考えましたが、それだと簡単ですが、面白みがないなと思ったので、前面は全部木組みで作り、後ろの足の接合には蝶番を使って作ることにしました。
また、木組みで作った方が、長期的に見れば強度が高いです。(その分、木を引くのが大変ですが...)
今回の記事では、設計から、材料の選定、加工と仕上げまでを一気に紹介したいと思います。また、設計した図面などについても公開するので、もし、自作してみたいという方は参考にしてみてください。
使った道具と材料+必要なもの
使った道具

- ノコギリ (横引き)(できれば刃の幅が細いものと太いもの2種類あるとよい(細い方は糸鋸でも可))
- ノミ (幅 1cmと幅 3㎝程度のもの)
- インパクトドライバ + 木用のドリル 8mm
- トリマー (無くても作れるがあると便利)
- 指金 (さしがね)
- 定規
- スケール (メジャー 5m)
- 鉛筆 (できればやわらかめで2Bくらいのやつ)
- 刷毛
- その他(クランプやマスキングテープなど)
副材料
- ボンド
- 紙やすり #80と#120 (表面仕上げ用)
- ニス
- ウッドシーラー(ニスの下地)
材料費って大体どのくらい?
材料は、木材の木目や木の種類にこだわりがなければ、4*3材のホワイトウッド1.9m程度が400円で販売されていたので、これが4本~5本+台のピン用の材で2500円。
私は、杉材で反っていない材且つ、できれば赤身(木の中心の堅い部分)を探して購入したので5500円くらい。
金具などは家にあったものをそのまま使ったので、木材と併せて、全部買うとしたら合計で8000円~10000円くらいになったのかなと思います。
木の種類の選定について
ホワイトウッドや杉などは、加工しやすいので作りやすいですが、湿度などに弱く反りやすいので、反っていないものを探す必要があります。DIYなどの場合、道具や技量から、綺麗に反りを直すのは困難です。反りを綺麗に直すよりは、少し高くても反っていないものを買う方が賢明です。制作後の反り対策ですが、作った後に均一にニスを塗れば反りを抑制することができます。
大まかなメモと設計
一般的な形状は?
一般的な大きめのイーゼル(高さ150㎝以上)の寸法や各部分の角度などを調査しました。
販売されているものや使いやすいといわれているものは大体以下のような形状のものでした。

画像 一般的なイーゼルの寸法調査結果
CADでプレビューしてみた。
概形を決めるにあたり、紙に製図してもよかったのですが、角度を調整しながらチェックしたかったので、CADで自動的に計算して、3度、6度、10度で計算させてみました。
3度開く時

6度開く時

10度開く時

プレビューにはOpenSCADというスクリプトからモデリングできるフリーソフトを使いました。
【3dCAD】OpenSCADの使い方:ダウンロードから最初の3Dモデルを作ろう!
マウス操作不要。コードで設計する無料CAD「OpenSCAD」の使い方を解説。3Dプリント実践者の視点から、OS別のセットアップや基本操作をまとめました。従来のCADが苦手なプログラマーでも、この記事を読めばすぐに3Dモデルが作れるようになります。
6度開くことに決定
プレビューでチェックしたところ、前面の角度は6度くらいがちょうどよく見た目にも綺麗そうだったので、6度開くことにしました。
プレビューついでに各材料の長さを計算させていたので、必要な長さは以下が目安であることがわかりました。
必要な長さ(目安)

(接合部や組み木部分は含めていないので、その分は後で考慮し、販売している材からどう取るかは見て決めることにしました。)
設計図に起こす。
制作要件
- 全長 :165cm
- 前面開角 :6度
- 下の梁の幅:60cm程度(キャンバス5号~10号くらいまで使えるようにする)
- 前面の傾斜:0度(ほぼ垂直)から20度~で調整できること
設計図(汎用)

今回は、強度と加工のしやすさ(鋸とノミで加工しやすい)を天秤にかけて、下側の梁はほぞで、上の梁は前面に梁がちょうどはまるだけの溝をつけて埋め込むような形にすることにしました。
材料の買い出し。
道具や副材料は家にあったので、木材と金具を買ってきます。木材が多く置いてあるホームセンターに行き、杉材を見繕いました。
販売されている材は1920mmの長さで売っているものがあり、設計図から、左右の足、中央の柱、後ろの足に1本ずつ、全長1920mmで加工代(かこうしろ)を考えると、足などを取った残りから下側の梁分700mmはとれそうになかったので、45mm*27mm*1920材を5本購入しました。
また、イーゼルには構造部分とキャンバスなどを載せたり、抑えるための受けが必要なので、こちらも購入します。
買ったものリスト
- 45.0 *27.0 *1920 杉材 × 5 本
- 45.0 *13.5 *1920 杉材 × 1 本 (受けと抑え)
- 45.0 *13.5 * 910 杉材 × 1 本 (上の梁)
- 20Φ * 910 ホワイトアッシュ × 1 本 (受けを止めるための杭)
- 30 * 45 蝶番
- チェーン
- 留め金 2セット
- (鬼ねじとゴム足 M6 (足の下に付ける))
加工開始
けがき
切り欠いたり、ほぞ穴を開けないといけないので、その部分に設計図をもとにケガキする。
ケガキ時は、鋸できるところは切り代と削り代で5mm長くしたところにもケガキ、後で削って採集寸法に合わせる。

切り出し
切り出し部分も罫書きして、切り出し、ほぞの凸部分とほぞの穴部分も鋸と電動ドリルとノミで加工
並べてみて合わせる。
(作業場のござはもともと捨てる予定だったものを床の保護のため敷いているので汚いです。
(´・ω・`)

切り出しとほぞの加工後
ほぞに入れて接着
接着にはボンドと加工時に出たおがくずのうち細かいものを混ぜたものをパテのようにして利用した、少しはみ出るくらいで塗って置き、後で削り取る。

接着して、固まるまで待機
下仕上げ1
接着できたので、はみ出たボンドをサンドペーパ#80で削り、足の上面や中央の柱の上面などをやすっておく。また、上の梁の飛び出たところを刃が薄い鋸で切り取る。

後ろの足も切り出し、上面と下面をペーパ#80でやすっておく。
切り出しなどの加工はこれで大体完了。
塗装
塗装は、2段階ですることにしました。まず、シーラーを薄く塗り、その後、ニスを本塗します。
ニスが乾いたら最終層以外は、サンドペーパー#120で軽く全体をやすり、全体の凹凸を減らし、表面に小さい溝を作ることで、次の層が付きやすいようにします。

シーラー塗装後
シーラーを塗装することで、次に塗るニスをしみこみ過ぎないようにしたり、塗りムラが出にくいようにします。

ニス塗1回目
濃いめ(メープル)の色のウレタンニスを選んだので、濃いめに色がついていますが、透明でもよかったかも?
ウレタンニスは水分をしっかり防いでくれます。
乾くまで6時間(気温も下がってきたので、ちょっと長めに)おいておき、乾いたら軽くやすり掛けします。

ニス塗2回目
二回目塗装で十分そうだったので、塗装はここまでにしました。
ホゾ穴を開け、金具をつける。
ほぞ穴開け
塗り終えたので、次は、キャンバスなどを支えるための受けを載せる杭をつけれるようにします。
高さをある程度可変にしたいので、10cmまたは15cm間隔くらいで、前面の足の中心、左右で同じ高さに穴を開けていきます。これは一発勝負なので、慎重に穴あけを行いました。
金具類取付
蝶番やチェーン、足を閉じておくとき用の留め具、及び、受け皿を支えるためのL字金具などを取り付けます。

頑丈な蝶番で、足と前板を固定し、持ち運び用の留め金と、足の広がり幅を固定するためのチェーンなどを取り付けました。
完成

完成品
受け皿は、使っているとどのみち汚れるので、あえて作り込んでいません。キャンバスに合わせた木の板をそのまま載せられるようにしています。
特殊な形のキャンバスでも、この受け皿をちょこっと作ってやれば、載せられる様にしました。
まとめ
イーゼルを自作できました。近くで見るとところどころ”荒”が見えますが、遠くから見たらいい感じではないでしょうか?
反省点としては、下側の梁を組んだ後、飛び出た部分を角度調整前に切ってしまい、その後木の反りを直した結果、左側上部が1mmほど短くなり、断面が少し荒くになってしまったことです。強度的には一切問題なく、見た目だけちょっと不格好になっただけなのですが、反りや角度を調整して最終確認をしてから切り落とせばよかったと思います。組み木の部分も一応はまりはしたものの、やはり木工は難しいと感じました。
今回はホームセンターで木材を購入してイーゼルを作ってみましたが、費用としては買うより若干安くなった……かもしれません。とはいえ、手間を考えると既製品を購入したほうが圧倒的に早いです。それでも、自分で作ったものにはやはり愛着がわくもので、大切に使っていこうと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
では、次の記事で。 lumenHero
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