はじめに
WindowsでLinux開発環境を構築する際、GUIのインストーラー(Microsoft Store)は手軽ですが、パスの制御やバージョン指定の柔軟性に欠けることがあります。本記事では、コマンドプロンプトやPowerShellを使い、エンジニアが納得できる「最小構成かつクリーンな」Ubuntu環境の構築手順を解説します。
とりあえず動かしたい時(microsoftStore版)→ Microsoft StoreからシンプルにUbuntuを導入する方法。
目次
- 1. 最短インストール(Step-by-Step)
- 2. ディストリビューション管理コマンド(逆引き)
- 3. リソース制限の設定(メモリ・CPU割り当て)
- 4. ストレージ最適化(VHDXの移動・圧縮)
- 5. インストール直後の初期設定(Ubuntu側)
0. 前提条件の確認
WSL2を利用するには、Windowsのビルド番号が一定以上である必要があります。
- OS: Windows 10 バージョン 1903 以降、または Windows 11
- BIOS設定: CPUの仮想化(Virtualization Technology / VT-x / AMD-V)が有効であること
1. 最短インストール(Step-by-Step)
初めてWSLを導入する場合、以下の手順を管理者権限のPowerShellで実行します。
1.1 WSL2の有効化と最新化
インストールとアップデートするコマンドです。wsl導入済みならupdateだけで構いません。
wsl --install
wsl --update初回インストール時は、ユーザ名とパスワードを聞かれるので設定する。
1.2 OSのインストール(バージョン指定)
# インストール可能なOS一覧を表示
wsl --list --online
# 例: Ubuntu 24.04を指定してインストール
wsl --install -d Ubuntu-24.042. ディストリビューション管理コマンド(逆引き)
日常的な管理や、複数の環境を使い分ける際に使用します。
| 目的 | コマンド |
| 稼働状況の確認 | wsl --list --verbose (または wsl -l -v) |
| デフォルトOSの変更 | wsl --set-default <DistroName> |
| 特定のOSを停止 | wsl --terminate <DistroName> |
| WSLの完全シャットダウン | wsl --shutdown |
| OSの登録解除(削除) | wsl --unregister <DistroName> |

win11 wsl2 で”wsl --list --verbose” した例(ubuntuとubuntu24.04が入っている)
一番左の ” * ” はデフォルトOSを指しており、wsl単体や-dをつけずに起動したときに起動するものを指しています。また、ここで表示される VERSIONは、それぞれのディストリビューションが WSL1かWSL2どちらのバージョンで動いているのかを示しています。
3. リソース制限の設定(メモリ・CPU割り当て)
Windows側のメモリをWSLに使い切られないよう制限をかけます。
Windows側のユーザーフォルダ(C:\Users\<ユーザー名>\)に .wslconfig ファイルを新規作成します。
設定例: .wslconfig
[wsl2]
# WSL2に割り当てる最大メモリ量
memory=8GB
# 使用するCPUコア数
processors=4
# Swapファイルのサイズ
swap=4GB
# Windows側へのlocalhost転送(開発用)
localhostForwarding=true反映方法: 設定保存後、PowerShellで
wsl --shutdownを実行してから再起動します。
4. ストレージ最適化(VHDXの移動・圧縮)
デフォルトのCドライブを圧迫しないための上級者向け操作です。
インストール先ドライブの変更(移動)
①エクスポート:
wsl --export <Distro> <Path\FileName.tar>②登録解除:
wsl --unregister <Distro>③インポート:
wsl --import <Distro> <InstallLocation> <Path\FileName.tar>ディスク容量の返却(圧縮)
WSL内でファイルを消してもWindows側のVHDXサイズは縮小されません。手動で圧縮します。
wsl --shutdowndiskpartを起動select vdisk file="<vhdxのパス>"compact vdisk
5. インストール直後の初期設定(Ubuntu側)
Ubuntuが起動したら、まず以下の3工程を済ませておきましょう。(任意)
① ミラーサーバーを日本に変更
リポジトリのアップデートなどの参照先を米国(デフォルト)から日本サーバに変えておきます
sudo sed -i 's|http://archive.ubuntu.com/ubuntu/|http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/|g' /etc/apt/sources.list② パッケージの最新化
sudo apt update && sudo apt upgrade -y③ 開発基本ツールの導入(よく使うやつをお好みで)
sudo apt install -y build-essential pkg-config git curlミラーサーバーの国内サーバー化のメリット
グローバル負荷の軽減: 国内トラフィックで完結させることで、本家サーバーの負荷分散に寄与します。
DL速度の劇的な向上: 物理的距離の短縮により、パッケージ取得時のレイテンシが減少、スループットが最大化されます。
接続の安定化: 海外経由の複雑なルーティングを避けることで、大容量の upgrade 時におけるタイムアウトや接続断のリスクを低減できます。
さいごに
WSL2 の導入と基本的な初期設定についてまとめました。参考になれば幸いです。
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