【FreeCAD】【初心者向け】モデリングの始め方

FreeCADロゴ(freecad公式ページロゴキット https://fpa.freecad.org/handbook/process/logo.html より引用)

基本的なモデリングの手順を紹介

freeCADの最も基本的なモデリングの仕方は、スケッチを作成し、スケッチから面を作成面を押し出すことで3dモデルを作る方法です。

今回の記事では、初心者向けとして、できるだけ簡単に、スケッチからベースの形を作るところまでを操作画面を用いながら紹介します。

応用的な方法はこのシリーズの後編にて説明していきますので、そちらを参照していただけますようよろしくお願いします。

面を作った後の操作については、次の記事に書いています。

内側の切り抜き部分のモデリング

FreeCADの使い方講座で「ブール演算」の基本操作を解説する画像。ブール演算を表す重なる円の図とモデルツリーが示されている。

【FreeCAD】初めてのモデリング-ブール演算

FreeCAD初心者向けに「ブール演算(引き算)」の使い方を具体的に解説。ペン立て作成を例に、くり抜く部分のスケッチ作成、押し出し、底の厚さを確保するための位置調整、そして本体から引き算して中空形状を作るまでの手順を分かりやすく紹介します。複雑なモデリングの基本テクニックです。

面取りや丸めを行い仕上げる

モデリングの手順について

FreeCADのモデリングでは、スケッチを作る。スケッチからbody(3dにしたもの)を作る。bodyの辺や面の編集、bodyの組み合わせやbool演算(ブール演算、共通部分を取ったり、差分演算など)を行い最終的な作りたいものにする。という手順でモデリングができます。

図にすると以下のようなイメージです。

FreeCADモデリングの手順

この記事では、この手順をなぞりながら、小さめのペン立てのモデリングを行っていきたいと思います。ペン立てのモデリングで基本操作は一通り試すことができるので、よければ、ご自身の環境で試していただけるとより理解が深まると思います。

FreeCADのセットアップ方法

FreeCADの使い方講座、ダウンロードの仕方について紹介します。

【FreeCAD】のダウンロードの仕方

FreeCADロゴ(freecad公式ページロゴキット https://fpa.freecad.org/handbook/process/logo.html より引用) FreeCADとは?無料のCADソフト FreeC […]

モデリングの手順(サンプルとしてペン立て作成)

 基本操作で作れて手元でマネしやすい、5cm × 5cm ×5cm の立方体のような形のペン立てを、基本手順に従って作ってみます。

また、初めてのモデリングなので、基本的な機能のスケッチからオブジェクト(今回)にすること、作ったオブジェクトのブール演算(次の記事)、面取りや丸めなどの最終工程の3段階に分けて紹介していきます。

FreeCADでのモデリングの手順についてのイラストであり、基本的な部品を作成し、ブール演算で組み合わせ、最終的に表面処理などを行って完成させるというcadでのモデリングの方法をわかりやすくイラストにしている。

今回の記事でできるようになること

この記事でサンプルとして作成するペン立て

1.[スケッチ] ファイル作成からスケッチを準備

“空ファイル” をつくる

起動した画面から”空ファイル”を選択し、ファイルを作成してください。

すると、下のような作業画面が表示されます。この作業画面で、スケッチの作成やモデリングを行っていきます。

FreeCADのモデリング画面。ツールバーがあり、左側に要素一覧、その右に作業画面がある。

作業画面

まず、設計するものの寸法や形状を描いたスケッチを作成します。スケッチの作成は、作業画面の上部にあるツールバーから、”スケッチを作成”というボタンからできます。

スケッチを作成する。

スケッチを作成すると、スケッチがどの面についてのものかを選択するように表示されます。サンプルのペン立ては、まず底面をスケッチで作り、それを上に押し出す風にしてモデリングしていくので、

XY平面を選択し ”OK”でスケッチの記述に進みます。

スケッチの面指定

面を指定してスケッチを作成すると、以下の画像のようなスケッチ作業画面になります。スケッチ作業画面で主に使う項目は以下のものです。

  • 要素の追加ツール
  • 拘束ツール
  • 視点操作
  • スケッチ内の要素・高速一覧が表示されるサイドパネル
  • 作業領域

スケッチの操作画面紹介

(XY平面を指定したので、上から見たときの作業領域が表示されていることが確認できます。)

2.[スケッチ] 図形を描く

 スケッチの操作画面”要素の追加ツール”から、要素(点や線、曲線など)を追加します。

上から見たとき正方形のペン立てを作りたいので、要素の追加ツールから、長方形を作成を選択し、作業領域で長方形を作ります。あとから寸法は拘束(指定)するので、今は大体の形でOKです。

四角形を描いたスケッチ

(四角形ではなく、六角形や円形のペン立てを作ってみたいときは、”正多角形を作る“や”中心を指定して円を作図“のツールで多角形や円を描くことができます。以降の操作は基本的に同じです。)

3.[スケッチ]寸法を”拘束する”

スケッチの辺の長さを拘束します。ここで拘束することで長さを決めることができます。
拘束の仕方は、拘束ツールの”寸法“を選択し、四角形の辺をクリックすると長さを挿入と出るので、ここに記入して長さを決めます。

寸法拘束で5×5の正方形を作る。

底面の形状とサイズが決まったら、サイドバーの”閉じる“からスケッチを閉じます。

4.[立体にする] 押し出し

スケッチを閉じると、作業画面に先ほどのスケッチがXY面にあること、サイドバーにスケッチがあることが確認できます。

押し出しの仕方

1- スケッチを選択し、押し出し(パッド)をクリックする。

2 – サイドバーの長さを指定することで押し出しを行うことができます。高さを5㎝にしたいので、長さを50mmにします。

画像と同じようにしたいときは、タイプ:寸法,長さ:50mmとし、チェックは画像の通りです。

(テーバー角度で上側に広げたりすぼませたりできます。)

5.[立体にする] 基本形完成(ビュー確認とリネイム)

ここまでの操作で、立方体(ベース形状の柱)ができたはずです。

ここで、必須ではないですが、ラベルを変更して、これが何なのかわかりやすくしておくと、部品数が多くなったときなどに便利です。

(今回のような簡単なものなら必須ではありませんが癖づけておくと後々楽です)

リネイムは、要素をサイドバーか作業領域で選択して、左下の詳細画面の”Label”を書き換えることで行えます。

リネイムの仕方

続く、次は内側のくりぬき部分作成

ここまでで、本体形状の大まかな形ができました。本体形状作成で、スケッチの作り方、スケッチから立体を作る方法がわかったと思います。長くなってしまったので、今回の記事はここまでです。

次の記事では、ペン立てのペンが入るところをブール演算を用いて作っていきます。

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ここまで読んでいただきありがとうございます。

では、次の記事で。 lumenHero