【初心者向け】図解でわかるタイマーリレーの使い方!基本から実践的な実装例まで徹底解説

タイマーモジュール

Amazonなどで600円ほどで手に入るタイマーモジュール の各モード設定の仕方について紹介します。

TVETE タイマーリレーオートメーションリレー V1557 使い方紹介
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図1 TVETE タイマーリレーモジュール

そもそも「リレー」って何? スイッチとの違い

タイマーリレーを理解するために、まずは基本となる「リレー」について簡単にご説明します。

一言でいうと、リレーは「電気で動くスイッチ」です。

ふだん私たちが部屋の照明をつけるときは、壁のスイッチを指で「カチッ」と押しますよね。これは「人の力」で電気のON/OFFを切り替えています。

しかし、工場にあるような大きな機械やモーターは、流れる電気がとても大きくて危険なため、手で直接スイッチを入り切りするわけにはいきません。

そこで登場するのが「リレー」です。 リレーを使うと、非常に弱い電気信号(指令)を送るだけで、安全な場所から、大きな電気が流れる回路を「カチッ」とON/OFFさせることができます。

つまりリレーは、

小さな力(弱い電気信号)で、大きな力(強い電気)を安全にON/OFFさせるための部品

ということです。

回路素子リレーの仕組み

※同様の目的で使われる素子としてフォトカプラやパワーFETなどがあります。(別記事で紹介)

タイマーリレーとは?

タイマーリレーは、この基本のリレーに、タイマー機能をicで追加したものです。

先ほどのリレーは、指令信号を受け取ると「即座に」スイッチをON/OFFしました。 一方、タイマーリレーは、指令を受けてから「設定された時間だけ待って」スイッチをON/OFFしたり、あるいは「設定された時間だけ」スイッチをONにし続けたり、といった時間に関わる制御ができます。

これにより、ボタンを押してから数秒間だけonやoffにすることや数時間に1回だけ動かしたりすることができます。

端子にノーマリーオープン(入力が無いとき常にON)とノーマリークローズ(入力が無いとき常にOFF)両方あるので両方実現できます。

各部名称紹介

まずは、タイマーモジュールを見てみましょう。

以下のように電源側4つとリレー側3つの各端子と4つのボタンがあります。

TVETE タイマーリレーオートメーションリレー V1557の使い方紹介 各部品と端子の説明

表1 ボタンと端子の一覧表

分類画像上名称機能
電源入力子1VIN+ (またはV+)プラスの電源(DC 5V~30V)を接続します。
端子2GND (またはV-)マイナスの電源(グラウンド)を接続します。
トリガー入力


端子3TRIGリレーを作動させるための信号(DC 3V~24V)を入力する端子です。
子4GNDトリガー信号用のグラウンド端子です。
リレー出力子5COMリレーの共通端子。制御したい回路の入力元(電源など)を接続します。
端子6NOノーマリーオープン(Normaly Open)。通常時はCOMと切断されており、リレー作動時にCOMと導通します。
端子7NCノーマリークローズ(Normaly Close)。通常時はCOMと導通しており、リレー作動時にCOMと切断されます。
操作ボタンボタンASTOPリレーの緊急停止、または設定モードからの離脱などに使います。
ボタンBSET設定モードへの移行や、設定値の決定に使います。
ボタンCUP設定値(時間など)を増加させます。
ボタンDDOWN設定値(時間など)を減少させます。

※基盤の型などが変わることで上記端子やボタンの割り当てが変わる場合があります。実装時はじっっ際の基盤の表記に従ってください。

電源の選定と接続する端子

今回紹介するタイマーモジュールの電源は基板上部にあるUSB type-cでの5V給電、または、電源入力(DC 5V~30V)で動作します。接続し電源を投入すれば、自動的に7セグメントLEDが点灯します。

電源の+とグランドGND(ー)の下にトリガの端子があります。

今回紹介するモジュールでは、ハイレベルトリガ(+の電圧をトリガにつなぐと動作する)ようになっています。最小構成でためなら、使用する電源から基板のVIN+ (端子1)、電源のマイナス側とグランド(接地推奨)をGND (端子2)に接続し、GNDとトリガのT_GND (端子4)を接続、電源とトリガ用のスイッチを接続し、スイッチを介して基盤のトリガ(端子3)に接続すれば動作します。下の図に示したような接続。

タイマーリレーの配線例

(基板の型番が変わると端子位置が変わる可能性があるのでご自身の基盤で確認してください。リレーはスイッチの機能なのでリレーの出力側にも電源が必要です。)

回路配線例 最小構成

タイマーモード全7種類

モード P1.1 トリガーで起動、タイマー時間だけ動作

タイマーリレーのmode1.1動作説明 トリガで起動し一定時間リレー

 トリガー信号を受けるとOP時間だけリレーがオンになり、自動でオフになります。タイマー作動中の再トリガーは無効です。

モード P1.2 追加のトリガーで延長、タイマーリセット

タイマーリレーのmode1.2動作説明 トリガで起動し一定時間リレーし、トリガで継続可能

P1.1の動作中に再度トリガーを受けると、タイマーがリセットされ、もう一度OP時間オンになります。

モード P1.3 追加のトリガーで強制停止

タイマーリレーのmode1.3動作説明 トリガで起動し一定時間リレーし、トリガで中断

P1.1の動作中に再度トリガーを受けると、リレーが即座にオフになり、タイマーが停止します。

モード P-2 トリガー遅延

タイマーリレーのmodep-2動作説明 トリガで起動し一定時間待機後に一定時間リレー

オフトリガー信号を受けると、まずCL時間だけオフ状態を維持し、その後OP時間リレーがオンになります。

モード P3.1 トリガーサイクル

タイマーリレーのmodep3.1動作説明 トリガで起動し指定回数一定時間待機後に一定時間リレーをループする

トリガー信号を受けると、まずOP時間オンになり、次にCL時間オフになります。このサイクルをLOP回繰り返します。

モード P3.2 電源オン自動サイクル

タイマーリレーのmodep3.2動作説明 一定時間待機後に一定時間リレーをループする

電源が投入されると自動的にサイクル動作を開始します。OP時間オン、CL時間オフをLOP回繰り返します。(トリガー不要)

モード P-4 信号保持タイマー

タイマーリレーのmodep-4動作説明 トリガが切れてから一定時間後までリレーし続ける

トリガー信号が入力されている間はリレーがオンになり続けます。信号が途切れた瞬間からタイマーがスタートし、OP時間経過後にリレーがオフになります。

設定仕方と表示の見方

1.モード選択

 SETを長押しすることでモード選択をすることができる。この状態で上下ボタンを押すことでモードを選択できる。もう一度SETを押すことでモード選択できる。

2.時間の表記について

 時間設定時、RESETボタンを押すことで、時間の小数点と単位を変えることができ、3パターン用意されている。

1.小数点が1つの時、秒数設定モード

小数点が1つだけ表示されているときは表記されている数字の秒数に設定できる。

例:052. → 52,秒  最大999秒(16.65分)

例:05.2 → 5.2秒  最大99.9秒

1.小数点が3つの時、分数設定モード

小数点が3つ全部表示されているときは表示されている分数で設定できる

例:0.5.2. → 52分 最大999分(16.65時間)

各モード別の設定方法

モード 1.1 1.2 1.3

SETボタン長押しでモード選択をしたのち、モード1.1 1.2 1.3を選択したときは”OP”と画面に表示される。OPの表示が消えたのち、数字をUP DOWNで入力できるようになる。

(OPとはトリガされたのちリレーが動作する時間のこと)

その後SETをもう一度押すことで設定完了

モード P-2 トリガー遅延

SETボタン長押しでモード選択をしたのち、モードP2を選択したとき、まず、”OP”と画面に表示される。OPの表示が消えたのち、数字をUP DOWNで入力できるようになる。その後SETをもう一度押すことでOPを設定

(OPとはトリガされたのちリレーが動作する時間のこと)

その後SETをもう一度押すと、”CL”と画面に表示される。CLの表示が消えたのち、数字をUP DOWNで入力できるようになる。その後SETをもう一度押すことで設定完了

(CLとはトリガされたのちリレーが動作するまでの時間のこと)

モード P3.1 トリガーサイクル

OPとLPの設定はP-2 トリガー遅延と同じなのでそこを参照してください。P3.1はLPの設定ののち”LOP”と表示されるのでここでループ回数を設定できる。

モード P3.2 電源オン自動サイクル

設定はP-2 トリガー遅延と同じなので略。

モード P-4 信号保持タイマー

SETボタン長押しでモード選択をしたのち、モード1.1 1.2 1.3を選択したときは”OP”と画面に表示される。OPの表示が消えたのち、数字をUP DOWNで入力できるようになる。

(ここのOPとはトリガが切れたあとONを保持する時間のこと)

その後SETをもう一度押すことで設定完了

実装アイデア

カップラーメンタイマー (P1.1)

タイマーモジュールとブザーやLEDを使って古典的なタイマー作成。

自動水やり装置P3.2)

タイマーモジュールを定期動作(P3.2)モードで設定し、ホースの開閉を定期的に行う。

ソレノイドバルブを用いて開閉機とし、電源をバッテリーで駆動するような構成にすれば、ホース代を除けば2万円ほどで実装することができます。

ジオラマや模型用の「踏切警報機」(P3.2)

タイマーモジュールを定期動作(P3.2)モードで設定し、ジオラマの踏切を定期的に動作するようにする。