「市販のジャンパ線だと長すぎて配線がグチャグチャになる」 「センサーを繋ぐのに、ちょうどいい長さのオス−メス線が欲しい」
そんな悩みは、ジャンパー線の自作方法を知っていればですべて解決します。手持ちの材料で、市販品より使いやすく、プロっぽい見た目の配線を手に入れましょう。

作ったジャンパ線と市販品
1. そもそも「自作」と「市販」どっちがいい?
電子工作を始めたばかりの「超初心者」の方であれば、まずはセット販売されているブレッドボード付きジャンパー線セットを使うのが安心です。ブレッドボードも1つ持っておくと便利だと思います。
ブレッドボード2個と 140 pcs ジャンパー線 + 65pcs ジャンパー線
ジャンバー線とブレッドボードセット 初心者ならこれだけあれば十分
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しかし、ある程度電子工作の道具が揃ってきた「初級〜中級」の方なら、自作のメリットは絶大です。
- コスト削減: 余っている配線材を有効活用できる。
- 自由度: 数センチの短いものから、1メートル以上の長いものまで自由自在。
- 特殊形状: 1対2の「分岐ケーブル」なども思いのまま。
それでは、さっそく準備に取り掛かりましょう。
ジャンパー線コスト比較 10cmのとき(”塵つもって山となる”で長いほど自作の方がコスパがよくなります)
| 比較項目 | 市販品(1本) | 自作(1本) |
| 推定価格 | 約12円〜18円 | 約7円 |
| 内訳 | 既製品価格 | 導線(3円)+はんだ等(4円) |
TUKUMO 独自調べ 2025/12/22 amazonやyahooなどショッピングサイトより材料を買った場合
2. 準備するもの(材料と道具)
特別なものは必要ありません。電子工作の定番アイテムで作れます。

画像 ジャンパ線を作るのに必要な材料
材料
導線・配線材
・導線(より線): 0.54mm程度のより線。メインのコード部分。扱いやすい太さのもの。
0.54mm 軟銅線
住友電気工業のはんだ付けしやすい電線
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・裸線(単線 錫メッキ線): 0.5mm〜0.6mm程度の単線。ブレッドボードに刺す「ピン」になります。(少量であれば、切ったあとの抵抗の足などを取って置けば不要です。たくさん作りたい時は、余ったとしても、ユニバーサル基板の配線などにも使えるので買っておいてもいいと思います。)
スズメッキ線 0.6mm
耐食性がよく、はんだ付けしやすい、ちょっと値が張る。
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裸線がないときは:抵抗やダイオードの「足」(リード線の余り)

実は手間がかからない材料だったりします。
活用法: 別の工作で出た「切り落としの足」を捨てずに取っておき、ジャンパ線の先端ピンとして再利用します。これこそ究極のエコで実用的な方法です。使えそうな足が残ってたら、1.8cmで切って小瓶やなどに入れておけば、必要な時に取り出せて便利です。
メリット: 抵抗などのリード線は、もともとブレッドボードや基板に刺す前提の硬さで作られています。また、はんだ付けしやすいように加工されているのでピンとしてぴったりです。
はんだ: 電子工作用のもの。ヤニ入りハンダが使いやすいです。ジャンパー線を作る場合、銀入りのものはオーバースペックです。
使いやすいはんだ
初心者向けに使いやすいはんだを選びました。
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絶縁・補強材料
・紙のテープ(マスキングテープ): 絶縁と補強の土台として使用します。できれば、テフロンテープが良いですが、塗装のマスク用のマスキングテープでも十分です。デコレーション用のマスキングテープだと粘着力が弱く作りずらいものがあります。
・熱収縮チューブ(Φ2mm): 仕上げの保護用です。
熱収縮チューブ Φ2mm
ケーブルの根元の絶縁や補強に便利
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道具
はんだ付けと熱収縮チューブの加熱に使います。ニッパーやはんだごてで被覆はがしができる腕があれば、ワイヤーストリッパーは無くても構いません。

画像 ジャンパ線を作るのに必要な道具
・はんだごて
下でリンクにおいてあるはんだごては、長年使われている温度調整付きのはんだごてです。はんだごてをけちると温度が上がりにくかったり、すぐ壊れたりするので、安かろう悪かろうよりはちょっといいはんだごてを買っておくことをお勧めします。
白光(HAKKO) はんだごて
温度調整機能付きはんだごて おすすめ
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・ニッパー / ワイヤーストリッパー

電子工作で素子の足を切る用途には片刃のニッパーの方が適しています。
良く売ってある先端が両刃のものでもいいですが、電子工作や精密な切断には、先端が片刃になっているものが1つ持っていると便利です。
片刃ニッパー
ENGINEER エンジニア マイクロニッパー
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・熱を加える道具: 熱収縮チューブを縮めるために必要です。
- ヒートガン: 本格的にやるならこれ。
- ターボライター: チャッカマンのように火口が長く、手元が熱くならないタイプ(300円程度で買えるもの)が非常に使いやすくておすすめです。
(必須ではないがあるといい)・裸線を伸ばす道具: ペンチなど。裸線そのままだと、やわらかい場合があるので引っ張りながらひねることで硬化させるために使います。
3. 実践!ジャンパ線の作り方(ステップ解説)
それでは、講義形式で順を追って解説します。
Step 1:下準備(カットと修正)

まず、導線を必要な長さに切り、両端の被覆を1cmほど剥きます。

ここに差が出る!【Step 1のコツ】
「曲がった線」を真っ直ぐ、かつ硬くする方法
スズメッキ線が曲がっていると、ブレッドボードに刺す時にストレスを感じます。
① 引き伸ばし法: 線の両端をペンチで掴み、グイッと引っ張っりながらねじると「加工硬化」で線がカチカチに硬くなり、格段に刺しやすくなります。
② コロコロ法: 堅い板(定規などの平らな面)と机の間に線を挟み、転がすだけで真っ直ぐになります。

①長さ5cmあたり1回くらいの回数ひねりながら引っ張ると堅くなる。やりすぎ注意。
(参考画像はわかりやすさのため短いですが、実際は15cmくらいの長さでやると良いです。)

②平らな堅い板のうえで、上からおさえながら転がすとまっすぐになります。
Step 2:心線の巻き付け

剥いた導線の先を指で少し広げ、平らにします。その状態で、先ほどの裸線の中央付近に巻き付けていきます。
★ポイント: 心線を平らにしてから薄く巻き付けることで、接続部のコブが小さくなります。これが後の「仕上がりの美しさ」に直結します。
Step 3:はんだ付けと絶縁

巻き付けた部分をはんだ付けします。

冷めたら上からマスキングテープを薄く巻きます。
※これを巻くことで、熱収縮チューブが角で破れるのを防ぐクッションになります。また、導線が根元で切れてしまうのを防げます。
Step 4:仕上げ(熱収縮)

熱収縮チューブを被せ、ヒートガンやライターでサッと熱を加えます。

チューブがシュッと縮まれば完成!
[aff 熱収縮チューブ Φ2mm 各色セット]
4. 自作だからできる「分岐ジャンパー線」

電源用分岐ケーブル

電池ボックスをブレッドボードに刺しやすくした
自作の最大の強みは、「1つのピンから2本の導線を出す」といった分岐やセンサーをピンヘッダに簡単に接続できるようにできることです。
- 複数のセンサーに電源を配りたいとき
- GNDを1箇所にまとめたいとき
- センサや小さいスピーカなどをピンで刺したいとき
この方法を知っていれば、より線のセンサやスピーカなどをピンヘッダに接続できるように加工できます。
5. まとめ:配線が変われば、質が変わる
自分でジャンパ線を作れるようになると、「配線の都合でパーツ配置を諦める」ことがなくなります。
- 材料を揃える(抵抗の足も活用!)
- 裸線を真っ直ぐに加工する
- 丁寧にはんだ付けして保護する
たったこれだけのステップで、あなたの電子工作はより快適に、よりプロフェッショナルな見た目になります。
「作り方がわからなくて市販品を買う」のと、「作り方は知っているが時間削減のために市販品を購入する」のとでは、雲泥の差があります。
まずは手始めに、手元にある余り線で「自分専用の1本」を作ってみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
では、次の記事で。 lumenHero